人は五感によって様々な情報を得ていますが、その中でもとりわけ視覚による情報は重要といわれています。このことを利用して色を活用したコミュニケーションなどもあります。色には様々な心理効果が存在しており、喜怒哀楽に始まり、癒しや活発、リフレッシュなどといったそれぞれの気持ちを誘発させたいときに、それぞれの色を用いることがあります。このような色を使ったコミュニケーションは、様々な現場で使用されています。保育や医療現場をはじめとして、介護の現場でも多く使用されている現状です。認知症の高齢者などは、言語によるコミュニケーションが難しい場合、このような色を用いたコミュニケーションが大いに役立ちます。
高齢者が抱えている気持ちを色で表現することをはじめ、施設内の色合いを変えることによって利用する高齢者の過ごしやすい施設に作り替えることもされています。高齢者は、加齢によって色の見え方が若いころと変わってくるもの。そのため、介護施設で使われている色は、それらに配慮したものが使われることが多いそうです。基本的に高齢者には、寒色系の色の変化がわかりにくい。気分を落ち着かせる効果のある寒色だが、細かな部屋の位置を示す際に使われることはほとんどない。同様にして、高齢者は、グレーも見わけがつきにくいとされています。グレーを用いた注意喚起などは採用されません。黄色は、高齢者にとって見分けの付きにくい色ではあるものの、気持ちを明るくさせる効果があるといわれています。そのため、高齢者とのコミュニケーションを活発化させるための色を部屋の各所に配置することが多いようです。